貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 エセルがそんなふうに思っているなど知らず、ナディアはくすぐったい気持ちに戸惑っていた。

 ゲルハルトにはっきりと前世の話をしてから、彼のことを考えるとどうも胸がざわつく。

 耳を甘噛みされたせいかもしれないと思っていたが、それだけではないような気もした。

「さて、夜の予定をお伝えしてもいいですか?」

 エセルのひと言でナディアのふわふわした気持ちがすっと引く。

「ああ、そのために来たのね。今夜から作法のレッスンが始まるのかしら」

「その通りです。夕食後、ホールに来てください」

「わかったわ」

 夕食と聞いて、ナディアの顔がぱっと明るくなる。