貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「色はキルシュフェラーの氷で染めています」

「氷で? ただの水ではないの?」

「特殊な鉱物を含んだ氷なんです。処置を施すことで、布をこのような色に染められます」

 ただ氷を溶かせば美しい色になるものでもないと、羊の獣人は得意げに語った。

 門外不出の特別な技術を持っているのは自分の店だけだとも。

(目が回りそう。全身に金貨を貼りつけて歩くようなものよね)

 一般的な貴族令嬢ならば、こういった時に金額など気にしない。

 しかしナディアは前世でジャンの代理として財政に携わったため、どうしてもそちらに意識を向けてしまう。