貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ナディアは呻くように言い、彼が勧める布に触れた。

 もしも水に形があるのなら、きっとこんな感触だ。指先をしっとりと包み込む布にはざらつきが一切ない。

(私のドレスを作るためにいったいいくら使うつもりなの……)

 エセルだけでなくゲルハルトからも気にするなと言われている。

 みすぼらしい格好で公の場には出せないという理由は理解できたが、それにしても待遇がよすぎて頭がついていかない。

「……これは絹よね?」

 いくつかの布を見ながら、ナディアが氷色の青いものを手に取る。