貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 分厚くなりがちな毛織物は絹と変わらない薄さで、一生触っていたいと思うほど気持ちのいい手触りをしている。

 山に囲まれた土地だからか、植物だけでなく鉱石の粉を使用して染めた布があった。

 本当に鉱石によってもたらされた色とは思えない美しい緑や青い布の数々は、金貨を搔き集めても購入できない素晴らしい出来栄えである。

「お好きな色や素材の布がありましたらお申しつけください。そちらでドレスを仕立てますので」

 羊の獣人である彼は、人間ならば耳がある位置にくるりと巻いた角があった。

「こんなにたくさんあると……ちょっと時間がかかるかもしれないわ……」