貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「大きな催しになりますからね。準備は早ければ早いほどいいと思ったまでです」

 しれっと言うエセルだったが、ナディアはそれどころではなかった。

「いいわね! フアールにいた頃は二回しか行かなかったの」

 前世で王妃だった頃にもそういった催しがあった。

 しかし王妃が市民の賑わう街を自由に歩けるはずもなく、いつもナディアは羨ましいと思っていたのである。

「だそうですよ、陛下。ナディア様を喜ばせるために頑張りましょうね」

「こいつを喜ばせたいなら、アウグストにまた甘いものを作らせればいい。いつもにやけながら食うからな」

「にやけたことなんかないわ!」