貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「心配してくれてありがとう。でも私だってこんなに自分が弱いと思っていなかったのよ。むしろ強いほうだと思ってたくらい」

「なにをどう勘違いしてそうなったかは知らないが、今後は改めるべきだ。また倒れられては困る」

 今回の一件で、ナディアはまた自分が前世と違う人生を生きているのだと思い知った。

 しかし再び倒れたとしても今は助けてくれる人がいる。

 蛮族への貢ぎ物にされると聞いた時は凍りついたが、こうなってよかったとナディアは心から思った。



 フアールでならばそろそろ袖つきの服か、上着を羽織るようになる秋を迎えても、エスタレイクの風の冷たさは大きく変わらなかった。