貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 身体を起こそうとしたナディアだが、腕に力が入らずシーツに顔を埋め込みそうになる。

 固まっていたゲルハルトが咄嗟に動き、そんなナディアを支えた。

「ありがとう。今は何時かしら? もう夜よね?」

 窓へ目を向けたナディアが質問する。

「どうしてここにいるの? 病気は平気? あっ、薬はどうなったのかしら。エセルに聞かないと」

「落ち着け」

 ベッドを出ようとしたナディアを止め、ゲルハルトも自分自身を落ち着かせる。

「おまえは数日眠っていた。急に起きないほうがいいだろう」

「……え?」

 ぽかんと間の抜けた顔で口を開くと、今度はナディアのほうが固まった。