貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「どうしてそういう感想になるのか、まったくわからない。……おまえは俺を怖いと思わないのか?」

 ゲルハルトがナディアの手を掴む。

「こんな話を聞いて、よく平気な顔で近づけるな。いつでも殺してやれるのに」

「だって私はあなたの敵じゃないでしょ。あなたもそれがわかってるからしないんだわ」

 ナディアはゲルハルトの手を解かず、困ったように微笑する。

「まあでも、怖くないと言ったら嘘ね。あなたにとって私の命がどれほど簡単に奪えるものなのかよくわかったから。狼に襲われて生き残れる人間なんてそうそういないもの」

「なのにここを出ていかないんだな」