貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ナディアは悩んだ末、ゲルハルトの隣にこぶしひとつ分の距離を開けて座った。

「あなたは復讐したのね」

 隣ならばゲルハルトの顔を見ずにすむ。

 感情を押し殺しているようで、悲しみを湛えた藍色の瞳を直視せずにいられる。

 彼の気持ちから目を背けているようで申し訳ない思いもあったが、すべてを受け止めきれるほどナディアは強くない。

「ああ」

 返答はやはり短かった。

「殺してくれと喚いていたが、殺すのは一瞬だからな」

「……ごめんなさい」

 思わず謝罪したナディアを、ゲルハルトが訝しげに見つめる。

「なぜ、おまえが謝るんだ?」