貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「人の姿に変わった父が獣ではないと訴えたが、ただの獣より俺たちのほうが処理が楽らしい。毛皮がやわらかいそうだな。あとは汚れも少ないと言っていた」

「もう、話さなくていいわ」

 無表情ながらもゲルハルトの心が深く傷ついているのを察して制止する。

 だが、ゲルハルトは首を左右に振ってからベッドに腰を下ろした。

「父も部下も殺され、母も傷を負った。まだ人になれない俺を、木のうろに隠して」

 今のゲルハルトを見ても、小さな木のうろに隠せるとはとても思えない。

 それほど彼は幼かったのだ。目の前で起きている惨劇を理解できるだけの知能があっても。