ナディアはゲルハルトが過去形で話していることに気づき、彼の気持ちを思ってそっと自分の胸を押さえた。
淡々と話していたゲルハルトは窓のほうへ目を向け、一瞬だけ唇を噛む。
「人間の密猟者がエスタレイクに踏み込んでいるなんて、それまで誰も知らなかったんだ」
「……あなたたちは狼の姿をしていたのよね」
「ああ」
「じゃあ……」
ナディアはその先を言えなかった。
国王夫妻は人間の手によって殺され、ゲルハルトは深い傷を負った。
その事実がなにを示しているか理解しても、口にするにはあまりにも悲しすぎたからだ。
淡々と話していたゲルハルトは窓のほうへ目を向け、一瞬だけ唇を噛む。
「人間の密猟者がエスタレイクに踏み込んでいるなんて、それまで誰も知らなかったんだ」
「……あなたたちは狼の姿をしていたのよね」
「ああ」
「じゃあ……」
ナディアはその先を言えなかった。
国王夫妻は人間の手によって殺され、ゲルハルトは深い傷を負った。
その事実がなにを示しているか理解しても、口にするにはあまりにも悲しすぎたからだ。

