貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 その間ゲルハルトに背を向けていたが、着替えを渡そうと振り返ってぎょっと息を呑んだ。

「ちょっと! まだ私がいるのに脱がないでよ!」

「おまえがいつまでもいるのが悪いんだ」

「着替えの用意を頼んだのはあなたでしょ!」

 狼の唸りに似た低い笑い声が聞こえ、今度は違う理由でナディアが目を瞬かせる。

(やっぱり前より気を許してくれてる気がする。……許しすぎだけど!)

 ナディアはなるべくゲルハルトの肌を見ないように顔を背けた。

 細身に見えて意外なほど筋肉質なところも、脱ぐと肩幅の広さや胸の厚さがはっきりしているところも、見ていないということにしておく。