貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 そのために人間を積極的に招き入れ、身内に取り込もうとするあたり、目的のために手段を選ばない性格なのだろうとナディアは考えていた。

 利用されている自覚はあるが、不快には思わない。

 どこぞの王子と恋人に殺された前世を考えれば、好待遇を約束するエセルは神のような存在である。

 ふ、とナディアは笑った。

「みんないい人よね。人間だからってだけで嫌がらせをしたり、悪口を言ったりしないもの」

「それは俺に対する当てつけかなにかか?」

 そう言ったゲルハルトの口もとには苦笑が浮かんでいる。

 嫌味や皮肉ではなく、軽口としての言葉らしい。

「あら、自分の言動に覚えがあるの?」