「あなたたたちも無理はしなくていいのよ。私だって自分の着替えくらい自分でできるんだから」

「でもこの間、背中のボタンが留められないって困ってましたよね? 自分で着るって言ったのに」

「それは忘れてって言ったでしょ!」

 その時の恥ずかしさを思い出し、真っ赤になったナディアをメイドたちはくすくす笑う。

 彼女たちともすっかり馴染んだが、なにかとからかってくるのはいただけない。ナディアが舐められているわけではなく、猫獣人はとくにこういった傾向にあるようだった。彼らは他人にちょっかいをかけて構ってもらうのが好きなのだ。