貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

(変わった味わいだわ。最初に食べた柑橘のような香りがするけど、スパイスのように舌がピリピリする。……あ、でもすごく香りが強いわね。鼻に抜けてすっきりする……)

 まぶたを閉じて味と向き合っていたナディアは、すぐ近くで風が揺れる気配を感じ目を開いた。

「いい食いっぷりだな」

「ひっ!?」

 空になった皿を片づけ、新しい料理を並べているのは先ほどの大男だ。

「味は?」

「お、おいしい、です」

 すっかり忘れていたが、ナディアは命の危機にあったのだった。

 いつこの大男に食われてもおかしくないというのに、自然と次の料理に目を奪われる。