貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 琥珀色の液体は予想していた通り、酒が使われているようだった。舌に鮮烈な刺激を与えるも、酔うほどの強さはない。その刺激が残った状態で貝の身を噛み締めると、今にも飛べそうな心地に包まれる。

 フアールで酒が許されるのは十七歳からである。ナディアは自分の回帰が十六歳ではなくて本当によかったと心から思った。

「もう最後のひとつだなんて……」

 五つは多いだろうと思っていたのに、もうナディアのもとにはひとつしか残っていない。

 泥がついているようにしか見えないため最後に取っておいたが、これまでを考えるならこれも美味だろうとさして悩まず口に入れる。