貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 誰に言い訳しているのか自分でもわからないまま、ナディアは一番まともそうな貝をひとつ手に取った。

 見た目はまったく食欲をそそられないが、スープのせいで期待が高まっている。

(この黒いソースはなに? 柑橘のような香りがするけど)

 顔を寄せて、フォークで身をすくい取る。

 鼻を突く磯臭さは柑橘の香りに掻き消された。

 勇気を振り絞って口に寄せると、小ぶりな身はナディアの口内につるんと滑り込む。

(なんなの!?)

 二度目の衝撃がナディアを襲った。