貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 与えられた部屋に比べて食堂の気温が低かったこともあり、ナディアは夢中で熱いスープを飲んだ。

 もし大男の陰がなければ、直接皿に口をつけて飲んでいたかもしれない。

(……あら?)

 気がつくと、ナディアの前には空のスープ皿が置いてあった。

 口の中にはたしかに素晴らしい味わいが残っているのに、何度見ても白い皿しかない。

(そんな、私としたことがはしたない……)

 恥じらいながらも、ナディアの視線は謎の貝を捉えていた。

 スープだけでこの味ならば、この黒っぽい貝はどうなのだろうと顔に書いてある。

(どうせこの後食べられてしまうなら、ちょっとぐらい試してみてもいいわよね?)