貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「陛下からも許しを得たあなたに、敬語を使っていただくわけにはまいりませんよ」

 渋るナディアにエセルがもうひと押しする。

「ゲルハルト様に聞いたんですね」

「ええ、その通りです」

 それを聞いてナディアはエセルへの敬語を諦めた。

 蛇の姿かたちを想像して柔軟な印象を抱いていたが、どうやらエセルは言い出したら聞かない男だと薄々感じ始めていたのもある。

「では、エセル。これからよろしくお願いするわね」

「こちらこそ。あなたの滞在がエスタレイクにとって益となるよう、期待しております」

 その言葉はナディアの胸をちくりと刺した。