貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ナディアが世辞抜きに言うと、エセルは懐かしそうに目尻を下げる。

「私のようなもののために陛下が用意してくださったのですよ」

「それはどういう……」

 言いかけたナディアは、視界の端に映る真珠色の尾に気がついた。

 妖しく明かりを反射するそれがゆらりと動く。

「名乗るのが遅れてしまいましたね。私の名はエセルバート・フォン・ロッツァー。蛇の特徴を持っております。寒さに弱いのもそのせいでして」

 蛇、と聞いたナディアの肩に少しだけ力が入る。

 幼い頃、庭で爬虫類を見て母に泣きすがったのを思い出したためだ。

(そう言われると、たしかに。瞳の感じもゲルハルト様とは違うわね)