背中を覆う特徴的なピンクゴールドの髪には寝癖がついている。こちらを見つめる瞳はリシャール家の血筋を表す美しい赤紫。熟したベリーのような甘い色合いは彼女の父と同じものだ。
白い肌とすっと通った鼻筋は母から受け継いでいる。なめらかな手触りがまるで絹のようだとメイドはよく彼女を褒めた。
なにげなく鏡に向かって微笑みかければ、大理石で造られた妖精のような儚く美しい少女が笑みを返してくる。ナディアはこの顔を誰よりもよく知っていた。ほかでもない自分自身のものだからだ。
だが、彼女が知っている自分の顔よりもずいぶんと若い。
「ちょっと変なことを聞くかもしれないのだけれど、いい?」
白い肌とすっと通った鼻筋は母から受け継いでいる。なめらかな手触りがまるで絹のようだとメイドはよく彼女を褒めた。
なにげなく鏡に向かって微笑みかければ、大理石で造られた妖精のような儚く美しい少女が笑みを返してくる。ナディアはこの顔を誰よりもよく知っていた。ほかでもない自分自身のものだからだ。
だが、彼女が知っている自分の顔よりもずいぶんと若い。
「ちょっと変なことを聞くかもしれないのだけれど、いい?」

