貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

 ようやくあの夜についてを謝罪できたナディアだったが、ゲルハルトが答える前にエセルが口を開いた。

 隠しきれない好奇心が声にも表情にも表れている。

「あなたが? 人間の女性に?」

「この女がそう言っているだけだ。おもしろがるな」

 眉間に皺を寄せて言い放つと、ゲルハルトはナディアを見下ろした。

「おまえは貢ぎ物だそうだな。フアールから、エスタレイクへの」

「ええ。ですが表向きには留学とさせていただけますと」

「人間のほうがよほど獣じみている。同族を捨てる獣などいないからな」

 思わずうなずきかけたナディアは、慌てて背筋を伸ばした。