「とても怖い夢だったわ。灰の塔に投獄されて死んでしまう夢なの」
ナディアは自分の手を膝の上で握り締めた。
あの悲しく苦しい日々が夢だったとはまだ思えない。
「あらあら、それは恐ろしい夢ですこと。だけどね、心配しなくても大丈夫ですよ。お嬢様が灰の塔へ連れて行かれる日なんて来やしませんから。――さて、お召し物を替えましょうね」
「ありがとう。動きやすいものをお願い」
そう言ったナディアはふと壁際の鏡台に映る自分を見た。
ナディアは自分の手を膝の上で握り締めた。
あの悲しく苦しい日々が夢だったとはまだ思えない。
「あらあら、それは恐ろしい夢ですこと。だけどね、心配しなくても大丈夫ですよ。お嬢様が灰の塔へ連れて行かれる日なんて来やしませんから。――さて、お召し物を替えましょうね」
「ありがとう。動きやすいものをお願い」
そう言ったナディアはふと壁際の鏡台に映る自分を見た。

