貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

「相手は人間ではなく獣ですよ? 常識が通用すると思ってるんですか?」

「少なくとも私が知る『人間(けもの)』よりは心があると思いたいところね」

 三日間、厩で過ごしたナディアは気が立っていた。

 劣悪な環境のせいで満足に睡眠を取れず、食事もほとんど与えられていないためだ。

「本性を隠していたのはナディア様もでしょう? 醜くて汚らしくて、本当に獣みたいです。蛮族も仲間だと思って優しくしてくれるかもしれませんね」

「それならよかったわ。ここにいるよりも幸せに生活できるでしょうね」

 ふと頭をよぎったのはゲルハルトだった。