貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~

(ジャンに媚びる云々よりも先に、コリンヌをどうにかするべきだったかしら)

 パンについた泥を削り、汚れていない中の部分だけを食べる。

 泥よりも、ほんのり鼻につく黴臭さの方が気に入らない。

 懐かしい味だと思えてしまう自分に苦笑し、無理をせず半分だけ胃に収めた。

 そこに再び来客がある。

「ごきげんよう、ナディア様」

 こんな場所にはふさわしくないきらびやかな出で立ちでコリンヌが現れた。

「まあ、臭い。よくこんな場所で生活できますね」

「ここで過ごせとジャンに命令させたのはあなたでしょう?」

「あら、どうだったかしら。そうだったかもしれませんね」