外へ出たら肌寒い。今ごろは日中は暑いのに、日が傾くとぐんと気温が低くなる。
「私、卯波先生のシャツに焼きもち妬いてます」
「俺のシャツにだって?」
「卯波先生にぴったりくっついて包み込んで、いつもいっしょだから」
ふふんって、微かに卯波先生が鼻を鳴らすのが聞こえたと思ったら、「こんな甘口は初めてだ」って。
「ずっと、道がつづけばいいのに。ずっとこうして、手をつないでいたい」
「しょんぼりするな、また明日も逢える」
ぎゅっと手を握ってくれるから、握り返した。
「寝て起きたらすぐだ」
返事のしるしに頷く。
寝て起きたらすぐって。私には、そんなに簡単なものじゃない。
そうだよね、卯波先生は私以外にも考えることがたくさんあるもんね。
「モアのオーナーみたいに、女性を紹介するって言うオーナーって、他にもいますか?」
「いる」
不安になり気持ちを試そうと、そっと手を離そうとした。
そしたら、手を逃がさないように、ぎゅっと握られたから安心した。
「いろいろ言われても、なにも感じない、自分の気持ちを信じている」
仕事でも恋愛でも先生。
いっしょにいると、たくさん教わることがある。
でも人生では、卯波先生に相応しいパートナーになるために、がんばらなくちゃ。
「桃を好きな気持ちを、自分が信じていれば、外野の声は耳に入らず、勝手に言わせておけとなる」
強い。自分を信じるって、心が強いことなんだ。
「どんなに、強引に紹介しようとするオーナーのお見合い話も、きっぱり断ってくれますか?」
「桃のためにも断固として拒否してやる。それに、自分のためにも断る」
固い決意に安心した。
「一度、覚悟を決めたから、なにがあろうと言われようと、ぶれない。それに、がんばれる」
がんばれる、あっ。
「だから、いつも私を助けてくれるんですか?」
「桃が大切だから守るため、支えるため、喜ばせるため、すべてにがんばれる」
家族以外に、こんなに想ってくれる人が恋人なんだ。
芯の強さが表れている瞳は、まっすぐに前を見据えながら歩きつづける。
安心してついていける強い目。
「だから安心しろ、もう俺を試すようなことはするな」
卯波先生を試そうだなんて、浅はかな私って馬鹿ね。
卯波先生には、お見通しなのに。
大きな温かい手が、私の手をしっかりと握り締め、自分の手もとに引き寄せた。
「まさか、ちょっと待て、桃」
「私、卯波先生のシャツに焼きもち妬いてます」
「俺のシャツにだって?」
「卯波先生にぴったりくっついて包み込んで、いつもいっしょだから」
ふふんって、微かに卯波先生が鼻を鳴らすのが聞こえたと思ったら、「こんな甘口は初めてだ」って。
「ずっと、道がつづけばいいのに。ずっとこうして、手をつないでいたい」
「しょんぼりするな、また明日も逢える」
ぎゅっと手を握ってくれるから、握り返した。
「寝て起きたらすぐだ」
返事のしるしに頷く。
寝て起きたらすぐって。私には、そんなに簡単なものじゃない。
そうだよね、卯波先生は私以外にも考えることがたくさんあるもんね。
「モアのオーナーみたいに、女性を紹介するって言うオーナーって、他にもいますか?」
「いる」
不安になり気持ちを試そうと、そっと手を離そうとした。
そしたら、手を逃がさないように、ぎゅっと握られたから安心した。
「いろいろ言われても、なにも感じない、自分の気持ちを信じている」
仕事でも恋愛でも先生。
いっしょにいると、たくさん教わることがある。
でも人生では、卯波先生に相応しいパートナーになるために、がんばらなくちゃ。
「桃を好きな気持ちを、自分が信じていれば、外野の声は耳に入らず、勝手に言わせておけとなる」
強い。自分を信じるって、心が強いことなんだ。
「どんなに、強引に紹介しようとするオーナーのお見合い話も、きっぱり断ってくれますか?」
「桃のためにも断固として拒否してやる。それに、自分のためにも断る」
固い決意に安心した。
「一度、覚悟を決めたから、なにがあろうと言われようと、ぶれない。それに、がんばれる」
がんばれる、あっ。
「だから、いつも私を助けてくれるんですか?」
「桃が大切だから守るため、支えるため、喜ばせるため、すべてにがんばれる」
家族以外に、こんなに想ってくれる人が恋人なんだ。
芯の強さが表れている瞳は、まっすぐに前を見据えながら歩きつづける。
安心してついていける強い目。
「だから安心しろ、もう俺を試すようなことはするな」
卯波先生を試そうだなんて、浅はかな私って馬鹿ね。
卯波先生には、お見通しなのに。
大きな温かい手が、私の手をしっかりと握り締め、自分の手もとに引き寄せた。
「まさか、ちょっと待て、桃」


