『叶兎くんどこ行くの?』

「秘密」

『何それ!』

「着いてからのお楽しみ」


暗くて細い道をそのまま突き進む

別に叶兎くんの事を信用してないわけじゃないけど、さすがにちょっと不安になってきた

こんな道に入って一体どこに向かってるんだろう…


「心配しなくても、変な場所に連れてったりしないから。言ったでしょ?見せたいものがあるって」


叶兎くんには時々、心を読まれてるんじゃないかって思う

だって口に出して言ってないのに、全部お見通しだ



『……わ!』



そんな話をしている間に、
細い道を抜けて広い橋の道を走っていた

街の方に視線を向ければ

視界一面に広がる美しい夜景


家の光や車の光、いろんな光が混ざり合って街が一つになっている


「綺麗でしょ、夜景」


『うん、すっごく綺麗……見せたかったものって、この景色のこと?』