「おかえりなさいませ、叶兎様」
扉の前に立つ二人の男性が頭を下げ、ギィ…と大きな扉が開いた。
“おかえりなさいませ”…?
叶兎くんの後ろに続いて足を踏み入れると、
「お疲れ様です!!総長!!」
いかつい声が両耳に響き、思わず身をすくめた。
中央には花道のように道が開かれて右と左には大勢の人が整列。
総長って呼ばれてるってことはもしかしてここにいるのって全員White Lillyの一員ってこと?
人数多…!!
想像の数十倍の規模なんだけど…?!
「やっと来たか。遅いぞ」
桐葉くんの声が聞こえて視線を向けると、部屋の奥にはみんなが立っていた。
集団の中から1人の男が前に出て叶兎くんに話しかける。
「久しぶりだね、叶兎」
「あぁ。みんな元気そうで安心した」

