「おい、他人事みたいな顔してんじゃねぇよ」


普段と違う、この前私を助けてくれた時と同じような、ドスの効いた低い声

その場にいた全員が、この空気に凍りついた

その叶兎くんの視線が向かう先は


「え、なんで私達を見てるの?投げたのアイツでしょ?」


女子生徒4人組。

この前廊下にいた女子集団とはまた違う人達だ

その女子が指さした先にいるのはボールを投げたであろう男子生徒


「は?お前らが仕組んだんでしょ、俺に隠し事が通用するとでも?」

「っ…」

「お前らが胡桃を見ながらコソコソ何か話してるの見てたし、胡桃に向かって投げたのが何よりの証拠。そいつがただ単に胡桃にボールを投げつけてもメリットないし、お前らの差し金としか思えない」


すこしは仲良くなれるかもって思ったけど、やっぱり無理なのかな…


「……はぁ。この際だからここで言うけど、胡桃に何かしたやつは俺が許さない。相手が、俺が、赤羽叶兎だってことを忘れるな」


ここにいるみんなが、叶兎くんを見てる

生徒会長で、WhiteLilyの総長…