「この声、…麗央か?」
「そうです!!久しぶりに戻ってきたんですね…!」
叶兎くんはその声の主を麗央と呼んだ。
茶髪で身長は低めの男の子。
「その方は…?」
そして視線が合うと、その子は数秒私を見てから視線を叶兎くんに戻す。
…なんだか、私怪しまれてる?
「言ったろ、紹介したい奴がいるって」
「!!その方なんですね!他の幹部の皆様は到着してます。全員お出迎えの準備もできているのでいつでも来てください」
そう言ってペコっとお辞儀をした男の子は目の前の大きな建物に入って行った。
『あの…さっきの人は?』
「俺の仲間。ま、すぐに分かるよ」
バイクを建物の横に停めて、叶兎くんは私の手を引いて大きな扉の前まで歩き出す。
え、この建物に入るの?え…?
屋根から扉まで全面黒で統一された建物。

