「転校早々授業サボるなんて、胡桃も問題児デビューだね」

『それ言ったら叶兎くんも問題児デビューだよ?』


そうこうしているうちに時計は1限目の開始時刻を指していた

まあ、生徒会権限を使えば授業に出なかったことくらい何とかなる。普段はちゃんと授業に出てるけど、たまにはこういうのも悪くない。


「俺は元々問題児認定されてるからセーフ」

『それ何もセーフじゃないって!』


問題児…とはちょっと違うけど、
吸血鬼は監視されることが多い。

俺は組織にいるのもあって裏では多分、
要注意人物とかそういう風に見られている


それからしばらく沈黙が続いたけど、苦痛じゃなかった。むしろ空気が心地よかった。


「ねえ、胡桃」

『……』

「胡桃?…あれ、寝てる」

『……』

「……どうやったら、俺の事好きになってくれる」


隣で眠る胡桃に、小さくつぶやいた

最初は俺が胡桃の肩にもたれかかっていたはずなのにいつの間にか胡桃が俺の方に寄っかかっている。


心地良い空気の中、俺も静かに目を閉じた。