「いやぁ、さすがだわ…やっぱ手強い」

「胡桃もまさかあんなに運動神経あったとはな」


天音くんと桐葉くんも笑いながら駆け寄ってくる。

私なんかが一緒に試合に出てよかったのかなって思ってたから、そう言われてちょっとだけホッとする。


「あ、そうだ。今日の夜空いてる?」


叶兎くんが何か良いことを思いついたかのように言った。


『夜?特に予定は無いけど…』

「見せたいものがあるから、21時に裏門に来て欲しい」


見せたいもの…なんだろう?


「おい叶兎、まさかアジトに連れてく気じゃないだろうな」


その会話に桐葉くんが割り込んできた。

アジト……


「連れてく、BSとの事もあるし他の奴らも胡桃の事を知っておいて損は無い」

「賛成はしないけど…叶兎がそうしたいならまぁ…」


とその時、


「…っ!」


いきなり叶兎くんが私の目の前に飛び出してきたかと思えば、叶兎くんの右手が、勢いよく飛んできたバスケットボールをキャッチしていた。


え……?


「……誰?今ボール投げた奴」