総長は、甘くて危険な吸血鬼





生徒の主体性に任せる的な…

なるほど、この学校は偏差値が高いだけあって自由も多いのかもしれない。


気づけばさっきまで雑談してたクラスメイトたちも自然にコートの使用順を話し合い始めていて…やっぱり流石進学校。

前の学校じゃきっとこうはならなかった。


「ね、叶兎。勝負しない?」


その声に振り向けば、いつの間にか天音くんが叶兎くんの前に立っていた。


そうか、そういえば体育って他のクラスと合同って言ってたっけ…。


ざわざわしていたその場が、
天音くんの一言で一瞬静まり返る。


「……別にいいけど」


叶兎くんが少し考えてからそう答えると、何も言っていないにも関わらずコートのうち1つが空けられた。

その場にいた女子達は真っ先にコートの横に並び始めて試合観戦する気満々だ。女子だけでなく男子もその2人の試合を見たいらしく、コートの両端に人だかりができる。