「……俺はお前を守る、お前は俺に血を分ける。これならどう?」
『え?』
「自分を守ってもらう事に対してみんなに迷惑かけるんじゃって思ってるでしょ?迷惑だなんて1ミリも思ってないけど、これならお互いwin-winになるかなって」
胡桃が何か答えようと口を開いたけど、すぐに言葉が詰まってしまう。
その仕草さえも、可愛く見えた。
俺は女を避けて生きてきたから恋なんてしたことがない。
ましてや面倒くさい生き物だと思っていたし、可愛いなんて思ったことはなかった。
だからこの感情が恋なのかは分からない。
でも、胡桃といる時は自然な自分でいられるし、心が軽くなる。
……何よりあの時、
気づいたらキスしていた。
あれが、答えなんだろう。
俺はもう、とっくに…。
『良いよ、そういう事なら…』
俺は胡桃を必要としてるし、
胡桃は俺たちを必要としてる。
今はこんな関係でもいい。
今は、まだ…。

