総長は、甘くて危険な吸血鬼




「じゃーさ、いっそのことWhiteLillyの姫ってことにしちゃえば?」

「お、それアリだね」


俺の横でそんな事を話している天音と春流。


姫……

一瞬、それもいいなと思った

思ったけど


姫は“みんなのもの”だ。
俺の中で、即却下。



しかもこの提案してきたのは天音。

こいつはどさくさに紛れて胡桃にキスマ付けた奴だ。尚更嫌だ。



「姫にはしない。姫なんかにしたら余計に狙われる危険が増す」



……半分は本音、半分は嘘。

どれだけ仲間でも胡桃を譲る気なんて毛頭ない。


でも姫は危険が増すのは事実だ。

人質に取られる可能性だって高くなるし、それで脅されたら元も子もない。