総長は、甘くて危険な吸血鬼



「おい、秋斗大丈夫か?!」

《っ…とにかくその子を守れ!また連絡する》


────ブチッ


慌ただしく通話が切れた。

多分、追われてるな。秋斗は足が速いし、そう簡単に捕まるやつじゃない……と分かっていても、嫌な汗が背を伝った。



『あの…私、狙われてるの?』



さっきまで黙ったままだった胡桃が、不安そうに俺を見上げた。

……当然だ。自分の知らない場所で、自分の存在が狙われているなんて知れば。



「胡桃の事は、俺達が守る」



これは、頼まれたからじゃない。

俺が、胡桃を守りたいから。



『でも迷惑じゃ…』

「みんなも、それでいいよね?」


凪達の方へ視線を投げると、全員意見は一致しているようだった。


「あぁ、相手がBSな以上、放っておく訳にもいかないしな」