総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ


【side叶兎】




…それにしても、
どうしてあいつらが胡桃の事を知っていた?

さっきの集団は、間違いなく“BLACKSKY”の構成員。
全身黒い服が特徴で腕に水色の刺繍が入っている。


普通なら、胡桃のような「何の関係もない一般人」に目をつけるはずがないのに。


「一通り調べたが情報はない」

「こっちも収穫なしだよ」



生徒会寮に戻り、裏のネットワークまで調べたが、胡桃に関する情報はどこにも出回っていなかった。

裏社会と無縁の人間が狙われることなんて、そうそうあるものじゃないのに。



「胡桃、あいつらと知り合いなの?」

『ううん、知らない』

「じゃあBLACKSKYのことは分かる?」

『BLACKSKY…??』



……知らないってことだな

胡桃はあいつらと面識がないのに向こうに胡桃のことが知られている…?



「BLACKSKY、通称BSは俺らWhiteLillyが1番敵対してる組織で──」


説明しかけた時、ポケットのケータイが震えた。

画面に表示された名前を見て、眉が動く。


電話の相手は、“九条秋斗”