「死にたくねぇなら今すぐ失せろ」


吐き捨てるような声。
振り返らずとも、背中越しに分かるほどの殺意が張り詰めている。


これが…生徒会長で、WhiteLily総長の赤羽叶兎。



「…………ちっ。行くぞ、お前ら」



その圧に押し負けて、男たちは舌打ちを残しながら退散していった。

場が静寂に包まれたその直後。



「胡桃っ、怪我してない?」



さっきまでの冷酷さが嘘のように、くるっと振り返り私の前へと駆け寄ってきた叶兎くん。

その瞳は戦いの時とはまるで違って、心配そうに揺れていた。



『うん、大丈夫…。ありがとう…』

「良かった…てか何で胡桃がここにいんの?」

『瑠奈ちゃんと心音ちゃんが教室にいなかったから、もしかしてと思ってつい…』



そう答えると叶兎くんはため息をついた



「バカなの?」


『ば、バカって…』