心音ちゃんと瑠奈ちゃんは、転校してきて初めて出来た友達…



胸の奥がざわざわと騒がしくなる。

いても立ってもいられなくて、私は気づけば走り出していた。



「おい、こんな朝から敷地内まで入ってきて一体何のつもりだ」



中庭の草陰に身を潜めて様子を伺ってみれば、桐葉くんの声が聞こえてきた。

生徒会メンバーも全員集合している。



「うちの生徒に手出したらどうなるか、分かってるよね?」



そう言った叶兎くん達の視線の先には


…心音ちゃんと瑠奈ちゃん!!

黒い服を着た男6人が、2人と叶兎くん達を遮るように立ち塞がっている。



「そっちが俺らを攻撃するのは自由だぜ?こいつらがどうなってもいいならな」

「いたっ… 」



髪を引かれ、心音ちゃんが小さく悲鳴を上げる。

心音ちゃんっ…!

2人を人質にとられてるせいで叶兎くん達も下手に動けないんだ…!


「何が目的だ」