「ねぇねぇ!赤羽くんってLINEとかやってる?」

「やってない」

「じゃ、じゃあ電話番号とか…!」

「連絡先広めたくないから無理」



今日も朝から、叶兎くんの周りにはまた女子達が集まっていた。

お陰で叶兎くんの席の隣に席がある私は座れなくて、仕方ないから窓際でHRの時間まで待つ事に。



「あのっ、赤羽くん、この前は助けてくれてありがとう!」

「……どうも」

「よかったら、お礼にこれ…」

「ごめんそういうのいらない。見返り求めてないから」



相変わらず叶兎くんは無愛想で冷たいけど、それでも女の子達は諦める気配もなく話しかけている。



…にしても、



「どうして叶兎が生徒会長なんだろう」

『っ春流くん!?』

「って考えてたでしょ」



叶兎くんの方を見ていたら突然横から声がして反射的に後ずさった。

び、びっくりした!



『ちょっと、私の感情代弁しないで…!』

「ごめんごめん、でも当たってたでしょ?」