『……あっ、もしかしてさっき天音くんに──』



傷が見えたのかな?
やっぱり血、吸われてたんだ。



「“天 音 く ん”???」



彼の名前を出したとたん、叶兎くんの眉間が深く寄る。



『な、なんでそんなに怒ってるの…?』



何故だか不機嫌オーラ全開の赤羽くんは、頭を抱えてそっぽを向いた。



「…アイツにキスマークつけられるとか、警戒心薄すぎない?」


『えっ?!キ、え!?』



赤羽くんのその指摘に、頬が一気に熱を持つ。

だからあの時“今回はこれで見逃してあげる”って…



「あー、ホント油断も隙もない。…決めた、やっぱお前、俺のものになってよ」



いや、どうしてそうなった…!?



『…嫌、ですけど』

「拒否権ないから」