総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ





「それに関しては俺からも言っておく、平和に過ごしたければ生徒会室には近づかないことだな」



桐葉くんが赤羽くんの肩をぐいと引き、私から遠ざける。


眼鏡越しの静かな眼差し、高身長で整ったその姿は一見優等生のようなのに、纏う気配はただならぬものだった。



……生徒会室に近づくな、か。


もともと私なんかが生徒会に用事なんてないと思うけど。

こうも強く忠告されると、近づいてはいけない場所なのだと肌で理解する。



『分かった…気をつけます…!』



私が短く返事をすると



「懸命な判断だな」

「行こ、凪」

「じゃあな、転校生」




赤羽くんは見向きもしないまま、

桐葉くんはひらりと手を振りながら、校舎の方へ行ってしまった。