私の前を通り過ぎようとした赤羽くんは、フッと小さく笑みを浮かべた。
この人……わざとやったな!
「逃がさないって言ったでしょ」
うわ、ホントに性格悪い!
まさに私の苦手なタイプ、
関わりたくない人種ナンバーワン。
だってあんなの私確実に友達できないじゃん。
瑠奈ちゃんと心音ちゃんがまだ普通に話してくれるのが唯一の救いだ。
『…最悪』
「何か言った?」
『いえ何も』
平凡に、
平穏に、
過ごしたいと思ってた新しい学園生活。
そんな希望は、
転校2日目にしてあっけなく打ち砕かれた。
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