「悪いけど、胡桃の血しか吸う気ないから」

『え』


有無を言わさず歩み寄り、
肩を掴んでぐいっと引き寄せられる。


私は思わず叶兎くんを見上げた。

まさかこんなところでこんな宣言されるなんて、思わなかったから。



「え……でも赤羽くん、吸血はしないって言ってたよね?」

「なんで転校生が?」



突き刺さる視線とざわめき。

あ、これもう友達できないやつだ…と悟った私。

既に怖いです。女子の目が。


ていうか……正直、あの女子たちがキャーキャー言う理由が私には全然分からない。

確かに顔は良いけど性格終わってない?
これのどこが良いの?



「気が変わった」

「なにそれ、…なんでその転校生なの」



それでも赤羽くんの言葉に不服そうに女子達は声を荒げる、


その時…

──キーンコーンカーンコーン




ここで丁度チャイムが鳴って、女子たちは私の事を数秒睨みつけた後静かに自分の席に戻って行った。

チャイムに救われた…。



『ねえ、ちょっとどういうつもり──』