私の席、赤羽くんと春流くんの間にあるんだけど、これは休み時間終わるまで座れないやつだな…。
ていうかやっぱりおかしいでしょ、
何でよりによってその席。
転校生って大体1番後ろの端の隣に誰もいない席とかじゃん。
「月城くん今日もカッコいい…!」
「ねぇ月城くんっ、私の血吸ってよ〜!」
「私も私も!」
「今は大丈夫。ありがとう」
キャッキャと騒ぐ女子達に慣れた様子で返す春流くん。
穏やかに断る声すら板についていて、場慣れしているのが分かる。
……それに比べて、あの女子たちがいる中で“間”の席に座る私の未来は……うん、想像するのはやめておこう。女子って本当に怖い。
「私赤羽くんにも吸われてみたいなぁ…」
「あーずるい!私だって赤羽くんに」
「ちょっと、赤羽くんにそういう話は__」
──ダンッ!
赤羽くんはさっきから居心地悪そうに周りを取り囲む女子達をガン無視していたけど、突然机に強く手をついて立ち上がった。
あんな露骨に嫌オーラ全開なのに話しかけに行ける女子達のメンタルもすごい。
「…どいて。」
「あ、赤羽くんどこ行くの?」
突然の事に動揺する周りの女子生徒を他所に無言で席から立ち去ろうとする。
……と思いきや

