「へぇ…あの叶兎が自分から血を吸うなんて、胡桃ちゃんの血ってどんな味するんだろー?」
栗栖くんが背後から私の髪に指先を伸ばした、その瞬間…
「胡桃は俺のだから」
『っ…!』
赤羽くんに強く腕を引き寄せられ、彼の胸の中にすっぽりと収まってしまった。
…いや、貴方のものになった覚えはないんですけど…!
…これは、“私”じゃなくて“私の血”の話
“血のため”だと分かっているのに、
あまりに近い距離に心臓が大きく跳ねる。
「わー叶兎怖い、独占欲ってやつ?」
「天音はあんまり煽らないの」
唯一冷静な飛鳥馬くんが栗栖くんの腕を引っ張ってソファーに座らせた。
「でも、今までずっと人間から血を吸うことはなかったのに突然どうしたんだ?」
超高速タイピングしてた桐葉くんもさすがに驚きを隠せず、作業の手が止まっている。
「秘密」
赤羽くんが短く答えたと同時に、場の視線が一斉に私へ向いた気がしたけど
……気のせいってことにしておこう。


