総長は、甘くて危険な吸血鬼




そっと肩を掴まれていまいち状況が読めなくて固まっていると、無言のまま近づいてくる赤羽くん。



『……えちょっと待って何?』



問いかければ、
赤羽くんは一拍置いて静かに答えた。



「何って、血を吸うだけ」



そして表情ひとつ変えずに言った。
淡々と。まるで日常の一部のように。


いや、意味がわからないんですけど。

私“いいよ”なんて一言も言ってない!


そう言い返そうと思えば、
私が口を開くよりも先に周りのみんなが



「「「え?」」」



と声を揃えた。




「叶兎が………血を、吸う………?」

「あの叶兎が?人間から、直接……?」




顔を見合わせた桐葉くんと春流くん。

赤羽くんは人間から直接血を吸うことはしないって言っていたから驚いているんだろう。