『か…叶兎くん…!?』
「…ったく、無理すんなっていつも言ってんじゃん」
低い声は怒ってるみたいなのに、震えて聞こえる。
額には汗、眉間には深い皺。
その表情に胸がぎゅっと締めつけられる。
「頼ってよ、俺がいるんだから」
炎の音にかき消されそうな声なのに、不思議と真っ直ぐ届いた。
熱くて怖いはずなのに、その言葉だけで、別の理由で心臓が跳ねていた。
私は小さく頷き、彼の胸元に身を委ねる。
気づけば炎の渦を突き抜け、庭の広場へ飛び出した瞬間外の空気が頬を撫でた。
風が頬に当たりじんわり火照った体にひやりと触れると、安心が一気に胸へ流れ込んだ途端、全身から力が抜けていく。
地面に降ろされた私は草の上に横たえられた。
すぐに春流くんが駆け寄ってきて、もう一度治癒をしてくれる。
「……くそっ、無効化されて全然効かない…!…でも、今は体も無効化も効力が弱ってる。…完全に無効化されてないから、応急処置だけなら…!」

