──ピピピピッ
アラームの電子音に引き戻され、私は半分眠ったまま右手を頭の上に伸ばして停止ボタンを押した。
ぼんやりした視界のまま制服に袖を通していると、部屋の外から慌ただしい声が聞こえて来る。
部屋を出てロビーを見てみれば、生徒会メンバーが勢揃い。
『…こんな朝からどうしたの?まだ6時だけど…』
朝食を作ろうと思って早めに起きたはずなのに、みんな起きるの早すぎるよ。
「仕事だ仕事」
「朝から慌ただしくてごめんね〜ちょっとトラブルがあってさ」
書類を抱えパソコンを前に高速タイピングをする桐葉くんに、トラブルがーとは言ったものの割と落ち着いている栗栖くん
「天音、サボってないでお前も手伝え。」
「えー俺こーゆーの向いてないんだってばー」
軽口を叩いた栗栖くんの頭を春流くんが容赦なく書類で叩く。
そのやり取りすらも、場に張りつめる緊張を際立たせていた。

