でも、朔の時とは明確に違う点が1つ。
「あ、やっとこっち見た」
いたずらっぽく笑いかけられると、冷たく当たる気力さえも失せてしまった。
多分、いくら突き放してもこいつは俺に話しかけてくる。
「お前、しつこい」
「天音って、わざと人と関わらないようにしてるよね」
「……。」
いきなり呼び捨てで馴れ馴れしいし、ズケズケと俺の事情に踏み込んで来て。
「俺、生徒会長なんだけどさ」
「…は?1年で?」
「去年の代でみんな卒業したんだって。んで、学校から頼まれた。」
そう言って肩をすくめる叶兎は、全然“頼まれごと”を押しつけられた感じじゃなかった。
むしろ楽しんでるようにさえ見える。
…だからって入学したての1年生で生徒会長になる事ある?
「でも人数足りないんだよねー。最低あと三人必要でさー」
…何で俺を見るんだよ。
わざとらしいくらい、目を向けてくる。
「だから天音、生徒会入らない?」
「……は?」
あまりにも自然に言うから、一瞬意味がわからなかった。
どういう思考回路してたら俺を生徒会に入れようってなるんだよ。
「強そーだし」
…結局それか。
「……断る。結局力目当てかよ」
思わず吐き捨てると、叶兎は首を横に振った。
「違う」
その声色は、今までと違って真剣だった。
「そもそもお前の能力知らないし。能力とかどーでもいい。俺が1番強いから」
心臓が一瞬、止まったみたいに固まった。
…えなに?遠回しに俺貶されてる?
なんだか、拍子抜けしてしまう。
「何か、天音からは強い意思というか覚悟みたいなものが伝わってくるんだよねー。俺、そういう奴が欲しいの。」

