睨みつけるような眼差しに、思わず一歩後退りする。
…もういい!せっかく心配したのに!
今すぐここから立ち去ろう。
そう決めて踵を返そうとした、その時だった。
「おい叶兎、いい加減輸血パックの食事をやめて直接血を吸うようにしたらどうなんだ」
背後から響いた、もう一人、男の子の声。
振り返ると、そこには眼鏡をかけた知的な雰囲気の男子生徒が立っていた。
「遅い、凪」
叶兎と呼ばれた目の前の男の子が、不機嫌そうに手を伸ばす。
で、新しく現れた男の子が差し出したのは、透明なビニールのパック。
……その中に入っているのは、どろりとした「赤い液体」。
私の目がおかしくなければこれは、どう見ても、世間一般的に輸血パックと呼ばれているであろう物だ。
そして受け取ったそれを開けてストローを刺したと思えば、そのままジュースのように飲み始めた。
…いやいやいや、ちょっと待って。
え?
輸血パックの食事??
血を吸う??
え、今飲んでるそれは血…???
情報量が多すぎて思考がついていかない。
そんな私の混乱を見透かすように、隣の男子が口を開いた。
「そこのお前、転校生だよな。俺は桐葉 凪、でこっちは赤羽 叶兎。叶兎が血を飲んでるのは俺たちが吸血鬼だからだ」

